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犬にあおさをあげても大丈夫?栄養・青のりとの違い・与え方と注意点を解説

目次

お味噌汁やお好み焼きなど、私たちの食卓でもおなじみの「あおさ」。ふわっと広がる磯の香りが魅力ですが、「犬も食べられるの?」「海藻はミネラルが多いと聞くけれど、与えても大丈夫?」と気になる方もいるのではないでしょうか。

あおさには食物繊維やミネラルなどが含まれる一方で、与える量や選び方には気をつけたいところ。

今回は、あおさの栄養的な特徴や犬に与えるときの注意点、毎日の食事への取り入れ方をご紹介します。

犬にあおさをあげても大丈夫?

結論からいうと、味付けされていない食用のあおさであれば、犬も食べることができます。

あおさには、海藻由来の食物繊維をはじめ、マグネシウムやカリウムなどのミネラル、βカロテンなど、さまざまな栄養成分が含まれています。

一方で、乾燥したあおさは少量でも成分が凝縮されています。ヨウ素やナトリウムなどのミネラルも含まれるため、「健康によさそうだから」とたくさん与える食材ではありません。

いつものごはんやおやつに少量を取り入れるくらいがちょうどよい食材です。

そもそも「あおさ」とは?青のりとの違い

「あおさ」「青のり」は、見た目も使い方もよく似ています。

実は、海藻の種類によって分類が異なるだけでなく、地域や商品によって呼び方が重なることもある、少し分かりにくい食材です。

文部科学省の食品成分データベースでは、「あおさ(Ulva属)」「あおのり」「ひとえぐさ」がそれぞれ別の食品として分類されています。

一方、三重県などでは、ヒトエグサという海藻を「あおさ」や「あおさのり」と呼んでいます。

そのため、同じ「あおさ」という名前でも、使われている海藻の種類や栄養成分が異なる場合があります。

愛犬に与えるときは、名称だけで判断するのではなく、食用として販売されている、味付けされていないものを選び、原材料表示を確認することが大切です。

あおさに含まれる主な栄養と、犬に期待できる働き

食物繊維|腸内環境を支える素材のひとつ

あおさの大きな特徴のひとつが、食物繊維です。

文部科学省の食品成分データベースでは、Ulva属の「あおさ(素干し)」100gあたりに29.1gの食物繊維が含まれています。

ただし、実際にトッピングなどで使う量はごく少量のため、摂取できる食物繊維の量もわずかです。

また、Ulva属の海藻には、「ウルバン(ulvan)」と呼ばれる海藻特有の多糖類も含まれています。

ウルバンについては、腸内細菌との関係などが研究されていますが、犬が通常の食事で少量のあおさを食べることで、同じ働きが得られると確認されたわけではありません。

「これを食べれば腸内環境が変わる」というより、腸内細菌が利用できるさまざまな食物繊維を、日々の食事の中で少しずつ取り入れる。あおさも、そんな選択肢のひとつと考えるとよいでしょう。

ミネラル|毎日のからだを支える栄養素

海で育つあおさには、マグネシウム、カリウム、カルシウムなど、さまざまなミネラルが含まれています。

マグネシウムは筋肉や神経、エネルギー代謝などに関わり、カリウムは体内の水分バランス、カルシウムは骨や歯など、犬のからだでもそれぞれ大切な役割を持っています。

ただし、ミネラルは「多ければ多いほどよい」ものではありません。

総合栄養食を主食としている犬であれば、必要なミネラルは基本的に主食から摂取できています。あおさは不足分を補うサプリメントとしてではなく、いろいろな食材を楽しむためのひとつとして取り入れるのがおすすめです。

βカロテン|海藻に含まれる色素成分

あおさにはβカロテンも含まれています。

βカロテンは植物や海藻の色素成分のひとつで、抗酸化作用を持つことで知られています。

毎日の生活の中では、運動や加齢などによって体内で酸化ストレスが生じます。あおさだけに特別な抗酸化効果を期待する必要はありませんが、野菜や海藻などさまざまな食材からこうした成分を取り入れることは、食事の選択肢を広げることにもつながります。

磯の香りとうまみ|食べる楽しみを広げる

健康のことだけでなく、「おいしく食べられるか」も大切です。

あおさには独特の磯の香りがあります。さらにグルタミン酸などのうまみ成分を含む海藻でもあり、少量でも食事やおやつに風味を加えることができます。

one’s dailyの「あおさ×ブロッコリークッキー」でも、あおさの香りとうまみを商品の特徴のひとつとして活かしています。

いつもの食事に少し違う香りが加わることも、愛犬にとっては食べる楽しみのひとつです。

犬とあおさ・海藻の研究はどこまで進んでいる?

人の食品分野では、海藻の食物繊維や多糖類について多くの研究があります。

一方、犬を対象としたあおさの研究は、まだそれほど多くありません。

2024年に発表された研究では、健康な成犬に、緑藻のUlva rigidaを含む3種類の藻類ブレンドを0.5〜1.5%配合した食事を与えた結果、配合量によって消化率や便の状態、腸内で作られる短鎖脂肪酸などに変化が見られた、というものがあります。

ただし、この研究で使われたのはUlva rigidaだけではなく、褐藻や微細藻類を組み合わせたブレンドです。そのため、「あおさを食べればかならず同じ変化が起こる」とは言えません。

つまり現時点では、あおさなどの海藻は、犬の食事素材として研究が進み始めている段階です。

なお、消化率などを調べた試験は6頭の犬を対象とした小規模な研究です。また、嗜好性試験では、藻類を加えていない食事のほうが好まれる結果も報告されています。
こうした結果からも、海藻の働きや犬への適性については、今後さらに研究を重ねていく必要があります。

あおさを「特別な健康食材」として大量に取り入れるのではなく、食物繊維やミネラル、香りを持つ海の食材として、毎日の食事に無理なく取り入れるのがよいでしょう。

犬にあおさを与えるときの注意点

味付けされていないものを選ぶ

犬に与える場合は、原材料があおさのみのものを選びましょう。

あおさ入りのふりかけ、お菓子、スープ、味噌汁などには、塩分や調味料が加えられていることがあります。

人用の料理をそのまま取り分けるのではなく、調味する前のあおさを使うのがおすすめです。

「体によいから」と大量に与えない

乾燥海藻は、少ない重量の中にミネラルが凝縮されています。

文部科学省の食品成分データベースでは、素干しのあおさにはヨウ素やナトリウムも含まれています。

ヨウ素は甲状腺ホルモンをつくるために必要な栄養素ですが、過不足なく摂ることが大切です。海藻をサプリメントのように大量に与える必要はありません。

持病や療法食がある場合は獣医師へ相談

甲状腺疾患、腎臓病、心臓病などがあり、ヨウ素・ナトリウム・ミネラルの摂取量を調整している場合は、自己判断であおさを追加せず、かかりつけの獣医師に確認しましょう。

甲状腺ホルモンにはヨウ素が関わっており、動物でもヨウ素の不足・過剰の両方が問題になることがあります。

海岸で拾った海藻は与えない

海岸に打ち上げられた海藻には、砂や異物、微生物、海水由来の塩分などが付着している可能性があります。

愛犬に与える場合は、人が食べるために加工・販売されている食用のものを選びましょう。

初めての場合はごく少量から

どんな食材でも、体質によって合う・合わないがあります。

初めてあおさを与える場合は、まず香りづけ程度のごく少量から。食べたあとに嘔吐や下痢、かゆみなど普段と違う様子がないか確認してください。

犬にはどのようにあおさを与える?

家庭で取り入れるなら、乾燥あおさを細かくして、いつものごはんにほんの少し混ぜる方法が簡単です。

手づくりのおやつに少量練り込んでも、磯の香りを楽しめます。

ポイントは、栄養をたくさん摂らせようとするのではなく、香りや食材のバリエーションを楽しむこと。

愛犬の主食を置き換えるものではありませんので、あくまでトッピングやおやつの素材として取り入れましょう。

デイリズムが「あおさ」をおやつに取り入れた理由

one’s dailyの「デイリズム」では、ひるリズムのひとつとして「あおさ×ブロッコリークッキー」をつくっています。

ひるリズムは、朝から夜へ向かう日中の時間にあげる「バランスキープ」というテーマで考えたおやつです。食物繊維やプレバイオティクスなどに着目し、午後に取り入れやすい素材を組み合わせています。

あおさ×ブロッコリークッキーに使っているのは、あおさだけではありません。

オーツ麦、米こうじ、てんさいオリゴ糖、ブロッコリー、犬由来の乳酸菌など、それぞれ特徴の異なる素材を組み合わせています。

私たちが大切にしているのは、ひとつの食材にすべてを期待することではなく、いろいろな食材を、毎日のおやつの中で楽しく取り入れること。

あおさの磯の香りと、ブロッコリーのやさしい風味。

愛犬が「おいしい」と楽しみながら、食物繊維や発酵素材なども自然に取り入れられる。そんな午後のおやつとして、あおさを選びました。

犬用のおやつには、お肉やお魚、チーズなどを使ったものが多くあります。一方、あおさのような海藻は、普段のおやつではあまりなじみがないかもしれません。

だからこそ、いつものおやつとは少し違う、磯の香りや海藻ならではの風味も楽しんでもらえたら。そんな思いも、あおさを選んだ理由のひとつです。

まとめ|あおさは、少量から楽しみたい海の食材

味付けされていない食用のあおさであれば、犬も少量食べることができます。

食物繊維やミネラル、βカロテンなどを含み、磯の香りとうまみも楽しめる食材です。

一方で、海藻はミネラルが豊富だからこそ、たくさん与える必要はありません。

大切なのは、「あおさを食べれば健康になる」と考えることではなく、愛犬の毎日の食事に、いろいろな食材を少しずつ取り入れていくこと。

おいしい香りや新しい食感も楽しみながら、愛犬との食の時間を豊かにしてみてください。