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犬に小松菜をあげても大丈夫?栄養成分や与え方・注意点を解説

目次

おひたしや炒めものなど、私たちの食卓でも身近な「小松菜」。鮮やかな緑色をしていることから、「愛犬のごはんにも少し取り入れてみたい」と思ったことがある方もいるかもしれません。

結論からいうと、健康な犬であれば、小松菜は食べても大丈夫な野菜です。

小松菜には食物繊維やβカロテン、カルシウム、鉄、ビタミンKなど、毎日の健康維持に関わるさまざまな栄養成分が含まれています。

ただし、「栄養が豊富だからたくさん食べたほうがいい」というわけではありません。今回は、小松菜に含まれる栄養と犬に期待できる働き、与えるときに知っておきたいポイントをわかりやすくご紹介します。

犬に小松菜をあげても大丈夫?

小松菜は、犬が食べても問題のない野菜のひとつです。

小松菜はアブラナ科の緑黄色野菜で、水分を多く含みながら、βカロテンやカルシウム、鉄、食物繊維などを含んでいます。

文部科学省の日本食品標準成分表によると、生の小松菜100gあたりのエネルギーは13kcal、水分は94.1g。食物繊維1.9g、カルシウム170mg、鉄2.8mg、βカロテン3,100μgなどが含まれています。

もちろん、犬に小松菜を100g与えることをおすすめしているわけではありません。実際には、いつものごはんやおやつに少量取り入れるくらいで十分です。

小松菜に含まれる主な栄養と、犬に期待できる働き

食物繊維|便のかさや腸内環境に関わる成分

小松菜の特徴として、まず注目したいのが食物繊維です。

生の小松菜100gには約1.9gの食物繊維が含まれ、そのうち約1.5gが不溶性食物繊維です。

不溶性食物繊維は水に溶けにくく、便のかさをつくることなどに関わる成分です。

犬を対象とした研究でも、食物繊維は、その種類や量によって腸内細菌の構成や腸内でつくられる代謝産物に影響することが報告されています。

ただし、「小松菜を食べれば腸内環境が改善する」と確認されているわけではありません。小松菜は、毎日の食事に食物繊維を含む植物性素材を取り入れる選択肢のひとつと考えるのがよいでしょう。

βカロテン|抗酸化作用をもつカロテノイドの一種

小松菜には、緑黄色野菜に多く含まれるβカロテンも含まれています。

βカロテンはカロテノイドと呼ばれる色素成分のひとつで、抗酸化作用をもつことで知られています。

犬を対象とした研究では、食事から摂取したβカロテンが血液中や白血球に取り込まれることが確認されています。また、犬はβカロテンの一部を体内でビタミンAとして利用することができます。

ビタミンAは、皮膚や粘膜、視覚など、からだの正常な働きを保つために必要な栄養素です。

小松菜だけで必要なビタミンAを補うというよりも、さまざまな食材から栄養を取り入れる中で楽しみたい成分のひとつです。

カルシウム|骨や歯だけでなく、筋肉や神経にも関わる

小松菜は、野菜の中ではカルシウムを比較的多く含む食材です。

カルシウムというと骨や歯を思い浮かべますが、筋肉の収縮や神経の働きなどにも関わる大切なミネラルです。

とはいえ、犬のカルシウムは「多ければ多いほどよい」ものではありません。主食として総合栄養食を食べている犬であれば、小松菜はカルシウム補給を目的に大量に与えるのではなく、いつもの食事に少し変化を添える食材として取り入れる程度で十分です。

鉄・ビタミンKなど|からだの基本的な働きを支える

小松菜には鉄やビタミンK、葉酸、ビタミンCなども含まれています。

鉄は赤血球中のヘモグロビンをつくり、からだへ酸素を運ぶために必要なミネラル。ビタミンKは血液凝固など、からだの正常な働きに関わっています。

なお、小松菜はビタミンCを含む野菜でもありますが、健康な犬は通常、ビタミンCを体内でつくることができます。そのため、人と同じ感覚で「ビタミンCを補わなければ」と考える必要はありません。

ひとつの栄養素だけを見るのではなく、いろいろな食材をおいしく楽しむ中で、自然にさまざまな栄養に触れられることも、小松菜のよさのひとつです。

小松菜はほうれん草よりシュウ酸が少ない?

小松菜とよく似た葉野菜に、ほうれん草があります。

犬に葉野菜を与えるとき、「シュウ酸が多いのでは?」と気になる方もいるでしょう。

シュウ酸は植物に含まれる成分のひとつで、カルシウムと結びつく性質があります。シュウ酸カルシウム結石の形成にはさまざまな要因が関わるため、特に結石の既往がある犬では、食事全体を考えて管理することが大切です。

ただ、小松菜はほうれん草と比べてシュウ酸が少ないとされる野菜です。日本で行われた小松菜とほうれん草の比較研究でも、ほうれん草ではシュウ酸が多く含まれた一方、小松菜では微量だったことが報告されています。

そのため、健康な犬に小松菜を少量与えるだけで、シュウ酸を過度に心配する必要はありません。

一方で、過去にシュウ酸カルシウム結石を経験している犬や、尿路・腎臓の病気で食事管理をしている場合には、野菜ひとつではなく食事全体のミネラルバランスを考える必要があります。自己判断で追加せず、かかりつけの獣医師に相談してください。

犬に小松菜を与えるときのポイント

生でも食べられる?加熱したほうがいい?

小松菜は、生のものを少量食べたからといって直ちに問題になる食材ではありません。

ただし、犬に家庭で与えるのであれば、さっと茹でたり蒸したりして、やわらかくしてから与えるのがおすすめです。

加熱することで繊維がやわらかくなり、犬が食べやすくなります。

細かく刻んで食べやすく

犬は私たちのように野菜を細かく噛んで食べるとは限りません。

特に茎の部分は繊維がしっかりしているため、加熱したあとに細かく刻んだり、ペースト状にしたりしてあげると食べやすくなります。

いつものごはんへのトッピングとして、ほんの少し混ぜるところから始めてみるのもよいでしょう。

味付けはしない

犬に与える小松菜には、塩やしょうゆ、だし、油などの味付けは必要ありません。

私たちが食べるおひたしや炒めものを取り分けるのではなく、味付けをする前の小松菜を愛犬用に少し取り分けておくと安心です。

最初は少量から

小松菜に限らず、初めて食べる食材は少量から。

食物繊維を一度にたくさん摂ると、犬によっては便がやわらかくなったり、おなかが張ったりすることがあります。

少しずつ与えながら、食欲や便の状態などに変化がないか見てあげてください。

また、小松菜だけでなく、おやつやトッピングなど主食以外から摂るカロリーは、一日の摂取カロリーの10%以内をひとつの目安にしましょう。これはあくまで上限の目安で、小松菜をその量まで与える必要はありません。

犬に小松菜を与えるときの注意点

食べすぎには注意

からだによい栄養を含む食材でも、たくさん食べればよいわけではありません。

小松菜を大量に与えると、食物繊維の摂りすぎでおなかの調子を崩したり、小松菜でおなかがいっぱいになって主食を十分に食べられなくなったりすることがあります。

あくまで主食を基本に、小松菜はトッピングやおやつの一部として楽しみましょう。

甲状腺の病気がある犬

小松菜は、キャベツやブロッコリーなどと同じアブラナ科の野菜です。

アブラナ科の植物に含まれるグルコシノレート類から生じる成分の一部には、ヨウ素の利用などに影響する「ゴイトロゲン」としての作用が知られています。

健康な成犬が少量食べる程度で、過度に心配する必要はありませんが、大量に継続して与えることは避けたほうがよいでしょう。

すでに甲状腺の病気がある場合や、ヨウ素量を含めた食事管理をしている場合は、与える前にかかりつけの獣医師に相談してください。

尿路結石・腎臓病などで食事管理をしている犬

尿路結石や腎臓病などで療法食を食べている場合には、小松菜に限らず、自己判断で食材を追加しないことが大切です。

食事療法では、カルシウム、リン、カリウム、シュウ酸など、食事全体のバランスを考えて調整していることがあります。

「小松菜は健康によさそうだから」と追加するのではなく、現在の食事に加えてよいか、かかりつけの獣医師に相談してください。

毎日のおやつに、小松菜という選択肢

小松菜は、食物繊維やβカロテン、ミネラルなどを含む、身近な緑黄色野菜です。

ひとつの食材に大きな健康効果を期待するというよりも、毎日の中でさまざまな素材をおいしく楽しむ、その選択肢のひとつとして取り入れるのがよいのではないでしょうか。

one’s dailyの毎日のおやつ「デイリズム」でも、小松菜を「ひるリズム」の素材のひとつとして使用しています。

「ごま×小松菜クッキー」は、小松菜粉末と香ばしい白すりごまに、オートミール、米こうじ、てんさいオリゴ糖などを組み合わせた午後のおやつ。

小松菜だけに役割を持たせるのではなく、食物繊維や発酵素材など、いろいろな素材を一緒に取り入れながら、日中のバランスを考えて設計しています。

愛犬にとっておやつは、栄養だけではなく「おいしい」「うれしい」を感じる大切な時間です。小松菜のような身近な食材も上手に取り入れながら、毎日のおやつ時間を楽しんでみてください。

まとめ

健康な犬であれば、小松菜は食べても大丈夫です。

小松菜には食物繊維やβカロテン、カルシウム、鉄、ビタミンKなどが含まれています。特に、小松菜に含まれる食物繊維の多くを占める不溶性食物繊維は、毎日のおなかの調子を考えるうえでも注目したい成分です。

家庭で与える場合は、さっと加熱して細かく刻み、味付けをせず、最初は少量から。健康な犬であれば必要以上にシュウ酸を心配する食材ではありませんが、甲状腺疾患や尿路結石、腎臓病などで食事管理をしている場合は、かかりつけの獣医師へ相談しましょう。

健康のために無理に食べさせるのではなく、「これ、おいしいね」と愛犬と楽しめる範囲で。毎日の食材の選択肢のひとつとして、小松菜を取り入れてみてはいかがでしょうか。