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犬にじゃがいもをあげても大丈夫?栄養と安全な与え方・注意点を解説

目次

カレーや肉じゃが、ポテトサラダなど、私たちの食卓ではおなじみの「じゃがいも」。ホクホクとした食感ややさしい甘みがあり、好きな方も多いのではないでしょうか。

一方で、「犬もじゃがいもを食べて大丈夫?」「芽には毒があると聞くけれど、どこまで気をつければいい?」と気になる方もいるかもしれません。

犬にじゃがいもをあげても大丈夫?

結論からいうと、健康な犬であれば、芽が出ておらず、緑色に変色していないじゃがいもを、皮をむいて十分に加熱することで食べられます。

じゃがいもというと「でんぷんが多い食材」というイメージが強いかもしれませんが、カリウムやビタミンC、ビタミンB6なども含まれています。与え方のポイントを知っておけば、愛犬のおやつやごはんのトッピングにも取り入れやすい身近な食材です。

じゃがいもは、適切に下処理をして加熱すれば、犬も食べることができる食材です。

じゃがいもの主なエネルギー源となる成分は、炭水化物の一種である「でんぷん」です。犬にとって炭水化物は食事から必ず摂取しなければならない必須栄養素とはされていませんが、消化されたでんぷんはブドウ糖へと分解され、からだのエネルギー源として利用されます。

もちろん、「だからじゃがいもをたくさん食べた方がいい」という意味ではありません。主食とのバランスを考えながら、日々の食事に取り入れられる食材のひとつ、と考えるのがよいでしょう。

じゃがいもに含まれる主な栄養素と、その働き

でんぷん|毎日の活動を支えるエネルギー源

じゃがいもの主成分は、炭水化物の一種である「でんぷん」です。

でんぷんは消化されるとブドウ糖になり、活動するためのエネルギーとして利用されます。じゃがいもは油を使わず、茹でたり蒸したりした状態であれば、脂質がもともと少ないことも特徴です。

ただし、生のでんぷんは犬にとって消化しにくいため、じゃがいもはしっかり加熱してから与えることが大切です。加熱するとでんぷんが糊化し、消化酵素が働きやすい状態になります。

カリウム|体内の水分バランスや筋肉の働きに関わる

じゃがいもは、カリウムを含む食材としても知られています。

カリウムは、ナトリウムとともに体内の水分バランスを保つほか、神経の伝達や筋肉の正常な働きにも関わる大切なミネラルです。

ただし、腎臓病などでカリウムの摂取量を調整している犬では、食材から摂る量にも配慮が必要になることがあります。食事制限をしている場合は、自己判断で増やさず、かかりつけの獣医師に相談してください。

ビタミンC|抗酸化に関わる栄養素

じゃがいもにはビタミンCも含まれています。

ビタミンCは抗酸化作用を持ち、コラーゲンの生成などにも関わる栄養素です。じゃがいもは、人の食生活でもビタミンCを摂れる身近な食材のひとつとして知られています。

ただし、人と違って犬は体内でビタミンCを合成することができます。そのため、「じゃがいもを食べてビタミンCを補わなければならない」というわけではありません。

でんぷんだけではなく、こうしたさまざまな栄養素も含んでいることが、じゃがいもの食材としてのおもしろさです。

ビタミンB6|たんぱく質やエネルギーの代謝を支える

じゃがいもには、ビタミンB6も含まれています。

ビタミンB6は、たんぱく質を構成するアミノ酸の代謝などに関わるビタミンです。からだの中でさまざまな栄養素を利用するために必要な、いわば「代謝を支える栄養素」のひとつです。

そのほか、じゃがいもには食物繊維も含まれています。ただし、じゃがいもだけを食物繊維源として大量に与える必要はありません。いろいろな食材を少しずつ楽しむ中のひとつ、と考えるのがおすすめです。

犬はじゃがいもの「でんぷん」を消化できる?

「犬は肉食に近い動物だから、でんぷんは消化できないのでは?」と思う方もいるかもしれません。

しかし、犬はオオカミから家畜化される過程で、でんぷんの消化や利用に関わる遺伝子に変化が起きたことが研究で報告されています。

また、じゃがいも粉を含む複数のでんぷん源を比較した犬の研究では、適切に加工されたドッグフードに含まれるでんぷんは、いずれも非常に高い割合で消化されていました。

ただし、これは加工された食事での研究結果です。生のじゃがいもや、どのような調理方法でも同じように消化できる、という意味ではありません。

大切なのは、「じゃがいもだから消化にいい・悪い」と一括りにするのではなく、調理方法や量まで含めて考えること。

十分に加熱してやわらかくしたものを、愛犬に合った量で取り入れることがポイントです。

犬にじゃがいもを与えるときの注意点

芽・緑色になった部分は与えない

じゃがいもを与えるうえで、最も気をつけたいのが「ソラニン」や「チャコニン」と呼ばれる天然の毒素です。

これらはじゃがいもの芽やその周辺、皮、特に光に当たって緑色になった部分に多く含まれることがあります。多量に摂取すると、嘔吐や下痢などの消化器症状をはじめ、体調不良を起こす可能性があります。

なお、じゃがいもの緑色そのものが毒素の色というわけではありません。光に当たることで増えたクロロフィルによる色ですが、同じ条件でソラニンやチャコニンも増えている可能性があるため、注意の目印になります。

ここで覚えておきたいのは、「加熱すれば毒素がなくなる」とは限らないことです。

ソラニンやチャコニンは、通常の加熱調理だけでは確実に取り除けません。愛犬に与える場合は、芽が出ていたり、緑色に変色していたりするじゃがいもは避け、状態のよいものを選びましょう。皮をむいてから調理することも、毒素の摂取を減らすために大切です。

誤って芽や緑色の部分を食べてしまった場合は、症状が出ていなくても、食べた量や時間を確認し、速やかに獣医師へ相談してください。

必ず加熱して、やわらかくしてから

犬に与えるじゃがいもは、生のままではなく、茹でる・蒸すなどして中心までしっかり加熱しましょう。

指やフォークで簡単につぶせる程度までやわらかくし、愛犬の大きさに合わせて小さく切ったり、マッシュ状にしたりすると食べやすくなります。

加熱する目的は、ソラニンやチャコニンをなくすためではなく、主にでんぷんを消化しやすい状態にし、食べやすくするためと考えてください。

与える前には十分に冷まし、やけどにも気をつけましょう。

味付けしたじゃがいも料理は与えない

じゃがいもそのものを食べられるからといって、人用のじゃがいも料理をそのまま分けるのはおすすめできません。

フライドポテトやポテトチップスは油分や塩分が多く、ポテトサラダやコロッケにはマヨネーズ、バター、塩のほか、犬には与えたくない玉ねぎなどが使われている場合があります。

愛犬にあげるときは、味付けをせず、じゃがいもそのものをシンプルに調理するのが基本です。

おやつやトッピングとして適量を

じゃがいもはエネルギー源になる食材ですが、たくさん与えればよいわけではありません。

普段、総合栄養食を主食としている場合は、じゃがいもはおやつやトッピングのひとつとして少量を楽しむ程度で十分です。

おやつ全体では、一日に必要な摂取カロリーの10%以内をひとつの目安にし、ほかのおやつを食べた日はその分も含めて調整しましょう。

初めて与えるときは少量から。下痢や嘔吐、皮膚のかゆみなど、いつもと違う様子がないか確認してください。

糖質やカリウムなどの摂取量を管理している犬、持病がある犬、療法食を利用している犬の場合は、かかりつけの獣医師に相談したうえで取り入れると安心です。

デイリズム「じゃがいも×GABAブレンド」にも使用しています

one's dailyの「毎日のおやつ」デイリズムでは、夜のくつろぎ時間を想定した「よるリズム」に、じゃがいも×GABAブレンドをご用意しています。

使用しているのは、じゃがいもフレーク、米ぬか発酵粉末、米こうじ粉末、乳酸菌粉末。

じゃがいもフレークをベースに、発酵米ぬか由来のGABAや米こうじなどを組み合わせました。水で溶くことで、ペースト状にもスープ状にもできる、夜の水分補給も兼ねたおやつです。

じゃがいもひとつに大きな健康効果を求めるのではなく、それぞれの素材が持つ特徴を考えながら組み合わせること。デイリズムでは、そんな考え方で毎日のおやつをつくっています。


まとめ|じゃがいもは、正しく調理すれば犬も楽しめる身近な食材

じゃがいもは、芽や緑色になった部分を避け、皮をむいて十分に加熱すれば、犬も楽しむことができる食材です。

主成分のでんぷんはエネルギー源となり、カリウムやビタミンC、ビタミンB6なども含まれています。

一方で、じゃがいもの芽や緑色になった部分に多く含まれるソラニンやチャコニンには注意が必要です。加熱だけに頼らず、状態のよいじゃがいもを選び、きちんと下処理することを大切にしましょう。

いつもの食卓にもある身近な食材だからこそ、正しい知識を持って、愛犬との「おいしい」を一緒に楽しんでいきたいですね。

参考文献
  • 農林水産省「じゃがいもに含まれる天然毒素『ソラニン』や『チャコニン』に関するQ&A」

  • 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

  • Axelsson E, et al. (2013). The genomic signature of dog domestication reveals adaptation to a starch-rich diet. Nature.
  • Murray SM, et al. (1999). Evaluation of selected high-starch flours as ingredients in canine diets. Journal of Animal Science.