鮮やかな緑色と、もこもことした見た目が特徴の「ブロッコリー」。食卓にもよく登場する身近な野菜ですが、ビタミンや食物繊維を含み、健康を意識する人たちからもよく選ばれている食材です。
最近では、アブラナ科の野菜に含まれる「スルフォラファン」という植物成分が注目されることも増えました。
愛犬のごはんに、ゆでたブロッコリーをトッピングしているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな身近なブロッコリーですが、「犬にとってどんな栄養があるの?」「与えるときに気をつけることは?」と気になる方もいるかもしれません。

結論からいうと、健康な犬であれば、ブロッコリーは食べることができる野菜です。
ただし、体によいイメージがある食材でも、たくさん食べればよいわけではありません。今回はブロッコリーに含まれる栄養や注目されている成分、犬に与えるときのポイントや注意点についてご紹介します。
犬にブロッコリーをあげても大丈夫?
ブロッコリーは、健康な犬であれば、少量を食事のトッピングやおやつとして楽しむことのできる野菜です。
ブロッコリーはアブラナ科の緑黄色野菜で、食物繊維をはじめ、ビタミンC、βカロテン、ビタミンE、ビタミンK、葉酸、カリウムなど、さまざまな栄養素を含んでいます。
生のブロッコリーは100gあたり37kcalと低カロリーで、脂質も多くありません。一方で、食物繊維は100gあたり5.1g含まれており、なかでも不溶性食物繊維が多いのが特徴です。
もちろん、犬にブロッコリーを100g単位で与える必要はありません。普段の主食に置き換えるのではなく、食事のトッピングやおやつとして、少量を楽しむくらいがちょうどよい食材です。

ブロッコリーに含まれる主な栄養と、犬に期待できる働き
食物繊維|おなかの調子を支える
ブロッコリーの特徴のひとつが、食物繊維です。
食物繊維には大きく分けて「水溶性」と「不溶性」がありますが、ブロッコリーには特に不溶性食物繊維が多く含まれています。
不溶性食物繊維は、水分を吸収して便のかさを増やし、スムーズな排便を支える働きがあります。
犬にとっても食物繊維は、毎日のおなかのコンディションを考えるうえで大切な成分のひとつです。
ただし、食物繊維は多ければ多いほどよいわけではありません。急にたくさん食べると、便がゆるくなったり、反対に便が硬くなったり、ガスが増えたりすることもあります。愛犬の様子を見ながら少量ずつ取り入れましょう。
ビタミンC|抗酸化に関わる代表的な栄養素
ブロッコリーは、ビタミンCを豊富に含む野菜として知られています。
ビタミンCは、体内で発生する活性酸素に対抗する抗酸化成分のひとつで、コラーゲンの生成などにも関わっています。
ただし、人と犬では少し事情が異なります。
人は体内でビタミンCをつくることができないため、食事から摂る必要がありますが、健康な犬は肝臓でビタミンCを合成することができます。そのため、犬にとってブロッコリーが「ビタミンCを補給するために欠かせない食材」というわけではありません。
ブロッコリーの魅力はビタミンCだけではありません。食物繊維や葉酸など、さまざまな成分を含み、いつもの食事に風味や食感の変化を添えてくれる野菜でもあります。
βカロテン・ビタミンE|植物由来の抗酸化成分
ブロッコリーには、緑黄色野菜らしくβカロテンも含まれています。
βカロテンやビタミンEは、ビタミンCと同じく、酸化ストレスからからだを守る働きに関わる栄養成分です。
「抗酸化」という言葉だけを見ると特別な健康効果を想像しがちですが、からだでは日々さまざまな酸化反応が起こっています。こうした成分を含む野菜を食生活の中で少しずつ取り入れることは、日々の食事にさまざまな植物由来成分を加える方法のひとつです。
葉酸・カリウムなど|さまざまな栄養を含む緑黄色野菜
そのほかにも、ブロッコリーには葉酸、ビタミンK、カリウムなど、さまざまなビタミンやミネラルが含まれています。
また、野菜の中ではたんぱく質も比較的含まれている食材です。
もちろん、ブロッコリーだけで犬に必要な栄養をまかなえるわけではありません。あくまで主食の栄養バランスを崩さない範囲で、食材の選択肢のひとつとして楽しむのがおすすめです。
スルフォラファン|ブロッコリーならではの注目成分
ブロッコリーの栄養を語るとき、近年よく登場するのが「スルフォラファン」です。
スルフォラファンは、ブロッコリーやブロッコリースプラウトなどのアブラナ科野菜に由来する成分で、抗酸化に関わる体内の仕組みなどとの関係が、人の健康分野を中心に研究されています。
もともとブロッコリーの中には「グルコラファニン」という形で存在しており、切る、噛むなどして植物の細胞が壊れることで、酵素の働きによってスルフォラファンが生まれます。
特にブロッコリースプラウトは、スルフォラファンのもとになる成分を含む食材として知られています。

スルフォラファンは犬でも研究されている?
スルフォラファンについては、人だけでなく犬を対象にした研究もあります。
2018年に発表された研究では、健康な成犬10頭に、ブロッコリースプラウト由来の成分を含むサプリメントを1回与え、その後の血液や尿が調べられました。
その結果、スルフォラファンの代謝物が血液や尿から確認され、犬でもスルフォラファンが体内に取り込まれることが示されました。
犬を対象にした研究があるというのは興味深いところですが、注意が必要です。
この研究は、ブロッコリースプラウト由来のサプリメントを1回与えたときの「吸収」を調べた研究です。普段の食事でブロッコリーを食べれば特定の病気を防げる、あるいは何らかの健康効果が得られることを証明したものではありません。また、研究で使用されたのは成分量を調整したサプリメントであり、家庭で一般的なブロッコリーを食べた場合に、同じようにスルフォラファンが取り込まれることを示した研究でもありません。
それでも、人の世界だけで語られがちな植物成分について、犬の体内でも吸収されることが実際に確認されている点は、ブロッコリーの興味深い一面といえそうです。
犬にブロッコリーを与えるときのポイント
加熱して、味付けせずに
ブロッコリーは生のままでも犬が食べられる野菜ですが、家庭で与えるなら、やわらかく加熱したもののほうが食べやすくおすすめです。
茹でる、蒸す、電子レンジで加熱するなどして、十分に冷ましてから与えましょう。
塩、しょうゆ、ドレッシング、マヨネーズなどの味付けは必要ありません。人用に調理した料理から取り分ける場合は、味付けをする前に愛犬分を分けておくと便利です。
小さく切って食べやすく
小房のままでも、人から見るとそれほど大きく感じないブロッコリーですが、小型犬にとっては大きなひと口になることがあります。
丸のみや喉につまらせることを防ぐためにも、愛犬の体格や食べ方に合わせて小さく切りましょう。
細かく刻んでいつものごはんにトッピングするのも、取り入れやすい方法です。
茎も食べられるが、硬い部分には注意
ブロッコリーは、花蕾だけでなく茎の部分も犬が食べることができます。
ただし、太い茎の外側は繊維が硬く、小型犬や噛む力が弱くなったシニア犬には食べにくいことがあります。
硬い皮を厚めにむき、十分に加熱してから、小さく切って与えると食べやすくなります。
初めてなら少量から
ブロッコリーに限らず、愛犬が初めて食べる食材は、一度にたくさん与えず少量から試しましょう。
食べたあとは、便の状態、嘔吐、皮膚のかゆみなど、いつもと違う様子がないか確認します。
問題がなければ、普段のおやつや食事の楽しみのひとつとして取り入れていきましょう。

犬にブロッコリーを与えるときの注意点
「体にいいから」と大量に与えない
ブロッコリーは栄養を含む野菜ですが、「体によさそうだから」と大量に与えるのはおすすめできません。
アブラナ科の植物には、グルコシノレートと呼ばれる成分が含まれています。これらから生じるイソチオシアネート類は、量が多くなると犬の胃腸を刺激し、下痢や嘔吐などにつながる可能性があります。
大切なのは、ブロッコリーそのものを怖がることではなく、ひとつの食材に偏らず、適量を楽しむことです。
食物繊維のとりすぎにも注意
おなかにうれしいイメージのある食物繊維も、一度にたくさん摂れば消化器の負担になることがあります。
特に、普段あまり野菜を食べていない犬へ急に大量のブロッコリーを与えると、ガスが増えたり、便の状態が変化したりすることがあります。
「食物繊維が多い=たくさん食べるほど腸によい」ではありません。愛犬の便や体調を見ながら調整しましょう。
持病や療法食がある場合は獣医師に相談
持病がある場合や、療法食を使用している場合、獣医師から食事制限を受けている場合は、ブロッコリーに限らず、普段の食事に新しい食材やおやつを追加する前に、かかりつけの獣医師へ相談してください。
健康な犬が少量を楽しむ場合と、病気の治療のために栄養素や食事量を細かく管理している場合とでは、食材の考え方も異なります。
デイリズムでは、ブロッコリーを「ひるリズム」に
one’s dailyの毎日のおやつ「デイリズム」でも、ブロッコリーを使用しています。
「ひるリズム」のあおさ×ブロッコリークッキーは、朝から夜へ向かう日中の時間を意識してつくったおやつです。
ブロッコリーは、不溶性食物繊維を含む緑黄色野菜のひとつとして採用しました。
ただし、私たちは「ブロッコリーを食べれば腸がととのう」と、ひとつの食材だけに大きな働きを求めているわけではありません。
あおさ、オートミール、米こうじ、てんさいオリゴ糖、犬由来乳酸菌など、それぞれ特徴の異なる素材を組み合わせながら、毎日のおやつとして無理なくさまざまな食材を取り入れられるよう設計しています。
そして何より、おやつは愛犬にとって楽しい時間。
ブロッコリーのやさしい風味と、あおさのうまみを組み合わせ。おせんべいやクラッカーのような軽い食感で、おいしく食べながら午後の時間を楽しめるクッキーに仕上げています。

まとめ|ブロッコリーは、少量を上手に楽しみたい野菜
ブロッコリーは、健康な犬であれば食べることのできる野菜です。
食物繊維をはじめ、ビタミンC、βカロテン、ビタミンE、葉酸などさまざまな栄養を含み、さらに、アブラナ科に由来するスルフォラファンについては、犬での吸収を調べた研究も報告されています。
一方で、どれだけ栄養豊富な食材でも、たくさん食べれば健康になるわけではありません。
味付けをせず、やわらかく加熱して、小さく切る。初めてなら少量から。
いつもの食事やおやつの中に、さまざまな食材を楽しむ選択肢のひとつとして、ブロッコリーを取り入れてみてはいかがでしょうか。
