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犬ににんじんをあげても大丈夫?栄養・期待できる働きと与え方・注意点

目次

カレーやスープ、サラダなど、毎日の食卓でもおなじみの「にんじん」。自然な甘みがあり、興味を示すワンコも多い野菜のひとつです。

「犬ににんじんをあげても大丈夫?」「目にいいって本当?」「生のままでも食べられる?」と気になったことがある方もいるのではないでしょうか。

結論からいうと、にんじんは健康な犬であれば食べることができる野菜です。βカロテンや食物繊維、カリウムなどを含み、いつものごはんのトッピングやおやつとして、少量から取り入れることができます。

一方で、「にんじんを食べれば目がよくなる」「免疫力が上がる」といった健康情報を、そのまま犬に当てはめることはできません。

この記事では、にんじんに含まれる栄養や犬を対象に行われた研究も参考にしながら、期待できる働き、与え方、注意点をわかりやすくご紹介します。

犬ににんじんをあげても大丈夫?

にんじんには、犬にとって問題となるような成分は通常含まれておらず、健康な犬であれば生でも加熱しても食べることができます。

ただし、硬いにんじんを大きなまま与えると、うまく噛めずに丸のみしてしまうことがあります。薄く切る、細かく刻む、やわらかく加熱するなど、愛犬の体格や噛む力に合わせて食べやすくしてあげましょう。

はじめて食べるときは、ごく少量から。便の状態や食欲、皮膚などに変化がないかを見ながら取り入れるのがおすすめです。

にんじんに含まれる主な栄養と、犬に期待できる働き

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」によると、皮つきの生にんじん100gには、35kcalのエネルギー、2.8gの食物繊維、6,900μgのβカロテンなどが含まれています。

もちろん、犬が一度に100gものにんじんを食べる必要はありません。ここでは、にんじんという食材がどのような成分を持っているのかを知るための参考として見ていきましょう。

βカロテン|抗酸化作用をもつ、にんじんの代表的な成分

にんじんの鮮やかなオレンジ色をつくっている代表的な成分が、カロテノイドの一種であるβカロテンです。

βカロテンは抗酸化作用をもつ成分として知られています。私たちのからだでは、呼吸や代謝などによって活性酸素がつくられますが、増えすぎると細胞へ酸化ストレスを与えることがあります。抗酸化成分は、こうした酸化に対するからだの仕組みに関わっています。

犬は食事から摂取したβカロテンを吸収でき、ビタミンAの前駆体として利用することもできます。

ビタミンAは、正常な視覚や皮膚・粘膜などを保つために必要な栄養素です。ただし、「にんじんを食べれば目がよくなる」という意味ではありません。総合栄養食などを主食としている犬では、必要なビタミンAは基本的に日々の食事から摂取しています。

にんじんは、特定の栄養不足を補うためにたくさん食べるというよりも、βカロテンを含む緑黄色野菜のひとつとして、毎日の食材の選択肢に加えるくらいがちょうどよいでしょう。

食物繊維|毎日のおなかを支える素材

にんじんには、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方が含まれています。

文部科学省の「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」によると、生のにんじん100gあたりでは、水溶性食物繊維が0.7g、不溶性食物繊維が2.1g、合計2.8gです。

食物繊維は犬自身の消化酵素では消化されにくく、その一部は大腸まで届きます。そこで腸内細菌に利用されたり、便の状態に関わったりするため、腸内環境を考えるうえでも大切な食事成分のひとつです。

ただし、食物繊維も多ければ多いほどよいわけではありません。急にたくさん食べると、犬によっては軟便や下痢、ガスなどにつながることがあります。

カリウム|からだの水分バランスに関わるミネラル

にんじんにはカリウムも含まれています。

カリウムは、細胞内の水分バランスを保ったり、筋肉や神経が正常に働いたりするために必要なミネラルです。

健康な犬が、おやつやトッピングとして少量のにんじんを食べる場合には過度に気にする必要はありません。一方、腎臓病などでカリウムを含む栄養素の摂取量を調整している場合は、自己判断で食材を追加せず、かかりつけの獣医師に確認してください。

犬の研究では、にんじんの成分についてどこまで分かっている?

にんじんについて調べると、「抗酸化」「目の健康」「免疫」など、さまざまな言葉を見かけます。

では、犬を対象とした研究ではどのようなことが確認されているのでしょうか。

2000年に発表されたビーグル犬を対象とした研究では、βカロテンを犬に与えたところ、血液中のβカロテン濃度が増加し、リンパ球や好中球などの白血球にもβカロテンが取り込まれることが確認されました。

同じ年に発表された別の研究では、βカロテンを8週間与えたビーグル犬で、CD4陽性細胞数やIgG、遅延型過敏反応など、一部の免疫関連指標に変化が認められています。

ただし、これはにんじんそのものではなく、一定量のβカロテンを与えた研究です。

そのため、この結果から「にんじんを食べれば犬の免疫力が上がる」と言い切ることはできません。一方で、犬がβカロテンを吸収し、血液や白血球に取り込むことが確認されているという点では、参考になる研究です。

また、2019年には、にんじんジュースなどをつくったあとに残る「にんじん搾りかす」を食物繊維源として犬の食事に取り入れた研究も行われています。

10頭の成犬のビーグルを対象としたこの研究では、にんじん由来の食物繊維を含む食事によって、糞便中の短鎖脂肪酸が増加し、とくに酢酸の増加が確認されました。

短鎖脂肪酸は、腸内細菌が食物繊維などを発酵するときにつくられる代謝産物です。

こちらも、にんじんを少量トッピングすることなどとは条件が異なるため、にんじんそのものの「効果効能」を直接示すものではありません。一方で、にんじん由来の食物繊維が、犬の腸内で発酵性を持つことを示唆する研究として参考になります。

このような研究データだけで、「にんじんは犬のからだに〇〇の効果がある」と決めることはできません。ただ、にんじんはβカロテンや食物繊維を含み、それらの成分について犬を対象とした研究も行われている食材のひとつです。ひとつの成分に大きな効果を期待するのではなく、毎日の食材の選択肢のひとつとして取り入れるのが、無理のない考え方でしょう。

生でも加熱してもOK?犬へのにんじんの与え方

にんじんは、生でも加熱しても与えられます。それぞれ食感が違うので、愛犬の好みや噛む力に合わせて選びましょう。

生で与える場合

生のにんじんは、シャキシャキとした食感が楽しめます。

一方で硬さがあるため、大きなかたまりや太いスティックをそのまま与えると、丸のみして喉につまらせるおそれがあります。

薄く切る、せん切りにする、細かく刻むなど、愛犬が無理なく食べられる大きさにしてください。

加熱して与える場合

蒸す、ゆでるなどしてやわらかくすると、噛む力が弱い犬やシニア犬にも取り入れやすくなります。

細かく刻んだり、つぶしたりして、いつものごはんに少量トッピングする方法もあります。

味付けは必要ありません。塩、バター、コンソメなどは加えず、にんじんそのものを楽しませてあげましょう。

皮は食べても大丈夫?

にんじんの皮も基本的には食べられます。よく洗って土や汚れを落としてから使いましょう。

皮の硬さが気になる場合や、やわらかく食べてもらいたい場合は、皮をむいて加熱しても問題ありません。

犬ににんじんを与えるときの注意点

  • 大きなまま与えない:硬いにんじんの丸のみは喉づまりの原因になります。体格や噛む力に合わせて食べやすい大きさにしましょう。
  • はじめは少量から:どんな食材でも体質に合わないことがあります。便や食欲、皮膚などに変化がないか確認します。
  • 与えすぎない:食物繊維を一度に多く摂ると、軟便や下痢、ガスなどにつながることがあります。
  • 味付けしたものは避ける:人用の煮物やスープ、バターや調味料を使った料理から取り分けるのではなく、味付け前のにんじんを使いましょう。
  • 持病や療法食がある場合は獣医師へ:食事制限の内容によっては、野菜を追加しないほうがよい場合もあります。

にんじんは100gあたり35kcalと比較的低カロリーですが、「低カロリーだからたくさん食べても大丈夫」という意味ではありません。

おやつやトッピングは主食とは別に加わるものです。おやつ全体は、1日に必要な摂取カロリーの10%以内をひとつの上限目安にしながら、にんじんについてはカロリーだけでなく、食物繊維の量や愛犬のおなかの様子も見て調整してください。

one’s dailyが「あさリズム」ににんじんを選んだ理由

one’s dailyの「毎日のおやつ」シリーズ、デイリズムには、午前におすすめする「あさリズム」として「こんぶ × にんじん クッキー」があります。

あさリズムは、一日のはじまりに寄り添うおやつとして、良質なたんぱく質や抗酸化成分を含む素材、脂質などに着目して素材を組み合わせています。

その中で、にんじんはβカロテンを含む緑黄色野菜として選んでいる素材のひとつです。

「こんぶ × にんじん クッキー」には、にんじん粉末と根昆布粉末を使用。にんじんの自然な甘みと、根昆布のうまみを組み合わせています。

にんじんだけに、「朝のスイッチを入れる」という役割を求めているわけではありません。

βカロテンを含むにんじん。自然なうまみを持つ根昆布。良質な脂質源として取り入れているココナッツオイル。オーツ麦やてんさいオリゴ糖など。

それぞれ違う特徴を持った素材を組み合わせながら、朝のおやつとして、おいしく無理なく楽しめる一枚を目指しています。

健康のために何かを我慢するのではなく、おいしく食べる時間そのものを毎日の健やかな習慣へ。にんじんも、そのために選んだ大切な素材のひとつです。

まとめ

にんじんは、健康な犬であれば食べることができる野菜です。

βカロテンや食物繊維、カリウムなどを含み、自然な甘みもあるため、いつものごはんやおやつに取り入れやすい食材でもあります。

犬を対象とした研究では、βカロテンが体内へ吸収され、血液や白血球に取り込まれることや、にんじん由来の食物繊維を使った食事で糞便中の短鎖脂肪酸が増加したことなども報告されています。

一方で、にんじんを食べれば特定の病気を防げる、免疫力が必ず高まる、といったことまで確認されているわけではありません。

ひとつの食材に大きな効果を期待するよりも、いろいろな食材のおいしさや栄養を楽しみながら、愛犬に合った食生活をつくっていくことが大切です。

生なら食べやすい大きさに。加熱するなら味付けをせず、まずは少量から。

にんじんも、愛犬の「おいしい」が毎日の健やかな習慣につながる食材のひとつとして、無理のない形で取り入れてみてください。


参考資料:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
Chew BP, et al. “Dietary beta-carotene is taken up by blood plasma and leukocytes in dogs.” The Journal of Nutrition, 2000.
Chew BP, et al. “Dietary beta-carotene stimulates cell-mediated and humoral immune response in dogs.” The Journal of Nutrition, 2000.
Eisenhauer L, et al. “Effects of Brewer's spent grain and carrot pomace on digestibility, fecal microbiota, and fecal and urinary metabolites in dogs fed low- or high-protein diets.” Journal of Animal Science, 2019.
WSAVA「Feeding treats to your dog」