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犬にココナッツオイルをあげても大丈夫?MCTとの違い・栄養の特徴と与えるときの注意点

目次

人の健康食材としてもよく知られている「ココナッツオイル」。料理やお菓子づくりに使っていると、そばにいる愛犬が香りに興味を示すこともあるかもしれません。

「犬もココナッツオイルを食べて大丈夫?」「中鎖脂肪酸(MCT)が犬にも良いって本当?」と気になる方もいるのではないでしょうか。

結論からいうと、原材料がシンプルなココナッツオイルを、健康な犬が少量食べることは、一般的には大きな問題になりにくい食材です。

ただし、ココナッツオイルはほぼ100%が脂質。健康によさそうだからと、たっぷり与えればよいものではありません。

今回は、ココナッツオイルに含まれる脂肪酸の特徴や、犬を対象に行われているMCTの研究、与えるときに気をつけたいポイントまで、わかりやすくご紹介します。

犬にココナッツオイルをあげても大丈夫?

ココナッツオイルそのものは、犬にとって中毒を起こす食材ではありません。

少量を食べたからといって、すぐに健康上の問題が起こる可能性は低いと考えられています。

とはいえ、ココナッツオイルは「油」です。脂質を一度にたくさん摂ると、犬によっては便がゆるくなったり、下痢や嘔吐などの消化器症状が出たりすることがあります。

「犬が食べられる」と「たくさん食べたほうが健康によい」は別の話。毎日の食事に取り入れる場合も、あくまで少量を意識することが大切です。

ココナッツオイルとは?

ココナッツオイルは、ココナッツの果肉からつくられる植物性の油です。

特徴のひとつが、一般的な植物油とは脂肪酸の構成が大きく異なること。

ココナッツオイルには、

  • カプリル酸(C8)
  • カプリン酸(C10)
  • ラウリン酸(C12)

などの脂肪酸が含まれています。

このうちC8やC10は、代表的な「中鎖脂肪酸」です。ラウリン酸(C12)も中鎖脂肪酸に含める場合がありますが、体内での吸収や代謝はC8・C10とまったく同じではありません。

また、よく耳にする「MCTオイル」とココナッツオイルも、同じものではありません。

MCTは「Medium Chain Triglycerides」の略で、中鎖脂肪酸を含むトリグリセリドを指します。一般的なMCTオイルはC8やC10を高い割合で含むようにつくられているのに対し、ココナッツオイルではラウリン酸(C12)がもっとも多く含まれています。

そのため、MCTオイルについてわかっていることを、そのままココナッツオイルの働きとして考えないことが大切です。

犬にココナッツオイルで期待できる働き

エネルギーとして使われやすい脂肪酸を含む

ココナッツオイルの特徴として、注目したいのがMCT(中鎖脂肪酸)です。

脂質は犬にとって大切なエネルギー源のひとつですが、MCT(中鎖脂肪酸)は、長鎖脂肪酸とは異なる経路で吸収・代謝され、比較的すばやくエネルギーとして利用されます。

もちろん、「食べれば元気になる」「太らない油」という意味ではありません。

それでも、一日の活動が始まる時間帯に取り入れる脂質の選択肢として、MCT(中鎖脂肪酸)に着目する考え方があります。

犬を対象にしたMCTの研究も行われている

MCTは、犬の栄養研究でも使われています。

たとえばシニア犬を対象に、MCTを含む食事と認知機能との関係を調べた研究があります。また、てんかんの犬を対象に、MCTを食事へ取り入れた臨床研究も行われています。

こうした研究から、MCTは単なるカロリー源としてだけではなく、犬の体内でのエネルギー利用や脳機能との関係についても研究されている脂質だといえます。

ただし、ここで注意したいことがあります。

これらの研究で使われているのは、MCTを一定量配合した専用の食事や、C8・C10を主体としたMCTオイルなどです。ココナッツオイルを少量食べることで、同じ結果が得られることを示した研究ではありません。

そのため、「ココナッツオイルを食べれば認知機能が改善する」「病気を予防できる」と考えることはできません。

病気の治療を目的に家庭でココナッツオイルやMCTオイルを追加するのではなく、治療中の愛犬については、かかりつけの獣医師に相談してください。

「皮膚・被毛」「抗菌作用」などの効果は?

ココナッツオイルについて調べると、「毛艶がよくなる」「皮膚によい」「抗菌作用がある」「腸内環境をととのえる」など、さまざまな情報を目にします。

ラウリン酸などについては、試験管内で抗菌作用を調べた研究などもあります。ただし、試験管内で確認された作用が、そのままココナッツオイルを食べた犬の体内でも得られるという意味ではありません。

また、犬の慢性腸症を対象に、家庭調理食へバージンココナッツオイルを加えた研究もあります。ただし、対象となった犬の数は限られており、食事そのものの変更とココナッツオイルの影響を完全に切り分けた研究でもありません。

現時点では、ココナッツオイルを食べることで「皮膚や被毛がよくなる」「抗菌作用が得られる」「腸内環境が整う」と断定できるほど、犬での十分な根拠があるとはいえません。

「何にでも効く油」と考えるのではなく、脂肪酸の特徴をもつ食品のひとつとして取り入れるのが、ココナッツオイルとの上手な付き合い方だと考えています。

犬にココナッツオイルを与えるときの注意点

与えすぎない

ココナッツオイルは、少量でもエネルギー量の高い食品です。

文部科学省の日本食品標準成分表では、ココナッツオイル(やし油)は100gあたり889kcal。

「体によさそうだから」と普段のフードへ毎日たっぷり追加すると、気づかないうちに摂取カロリーが増えてしまいます。

おやつやトッピングも含め、その日の食事全体のカロリーとして考えましょう。

最初は少量から

初めて食べる食材は、愛犬の体質に合うかどうかわかりません。

ココナッツオイルも、最初からまとまった量を与えるのではなく、ごく少量から。便の状態や食欲、皮膚の様子などに変化がないか確認しましょう。

油脂を多く摂ることで、軟便や下痢、嘔吐などが起こる犬もいます。

脂質制限が必要な犬は獣医師へ相談を

膵炎の既往がある犬、高脂血症がある犬、肥満傾向の犬、獣医師から脂質制限を指示されている犬などでは、自己判断でココナッツオイルを追加しないほうが安心です。

持病がある場合や療法食を食べている場合も、普段の食事へ新しい油脂を加える前に、かかりつけの獣医師へ相談してください。

ヒト用の加工品は原材料を確認する

犬に与える場合は、できるだけココナッツオイルのみで作られたシンプルなものを。

ココナッツ味のお菓子や飲料などは、砂糖のほか、キシリトールなど犬に有害な甘味料やチョコレートなどが使われていることがあります。

「ココナッツオイルが使われているから大丈夫」と考えず、必ず原材料を確認しましょう。

あさリズムにココナッツオイルを使っている理由

one’s dailyの毎日のおやつ「デイリズム」では、あさリズムの3種類すべてにココナッツオイルを使用しています。

あさリズムは、一日のはじまりに寄り添うおやつ。

良質なたんぱく質を含む素材や、色とりどりの野菜などと組み合わせながら、脂質についても素材選びを考えました。

ココナッツオイルには、C8やC10など比較的すばやくエネルギーとして利用される中鎖脂肪酸も含まれています。デイリズムでは、こうした脂肪酸の特徴に着目し、あさリズムの素材のひとつとしてココナッツオイルを使用しています。

ココナッツオイルだけをたくさん摂るのではなく、いろいろな素材を組み合わせながら、いつものおやつとして無理なく取り入れる。

それが、デイリズムでのココナッツオイルの使い方です。

デイリズムで使用している素材について詳しく見る

まとめ

ココナッツオイルは、健康な犬であれば、少量を食べること自体は一般的に問題になりにくい食品です。

C8やC10などの中鎖脂肪酸を含むことも特徴のひとつですが、ココナッツオイルの主な脂肪酸はラウリン酸(C12)であり、C8・C10を主体とするMCTオイルとは同じものではありません。

また、犬を対象としたMCTの研究結果を、そのままココナッツオイルの効果として考えることもできません。

油脂である以上カロリーは高く、たくさん与えるほど健康によいわけでもありません。「からだによさそうな油だからたっぷり」ではなく、いろいろな食材のひとつとして、少しずつ。

愛犬がおいしく楽しめることも大切にしながら、毎日の食事やおやつに上手に取り入れていきたいですね。