「犬には犬の乳酸菌」という言葉を見て、「人用の乳酸菌とは何が違うのだろう」と思ったことはありませんか。
乳酸菌は、ヨーグルトや発酵食品、人用のサプリメントなどにも広く利用されています。一方、近年は犬の体から分離された「犬由来乳酸菌」を使った犬用製品も登場しています。
ただし、犬由来であれば、どの乳酸菌でも犬に適しているというわけではありません。大切なのは、どこから分離されたかだけでなく、どの菌株が選ばれ、どのような研究が行われているかまで確認することです。
本記事では、犬由来乳酸菌とは何か、「犬には犬の乳酸菌」という考え方とともに分かりやすく解説します。

犬由来乳酸菌とは?
犬の体から分離された乳酸菌を指す
犬由来乳酸菌とは、犬の腸内や口腔内など、犬の体から採取した試料の中から分離された乳酸菌を指します。
ここでいう「分離」とは、多くの細菌が混在している試料から目的とする細菌を取り出し、一つひとつ調べられる状態にすることです。
つまり、「犬由来」とは、その乳酸菌が犬の体から分離されたことを示す言葉です。
「由来」は乳酸菌の採取元を示す情報
「犬由来」という言葉だけで、その乳酸菌の働きまで判断することはできません。
犬から分離された乳酸菌であっても、犬に与えたときの働きが確認されているとは限らず、犬への有効性が自動的に保証されるわけでもありません。「由来」はあくまで、その菌がどこから分離されたかを示す情報です。
犬由来・人由来・食品由来の違い
乳酸菌の由来には、犬由来、人由来、乳製品由来、植物由来などがあります。
たとえば、ヨーグルトなどの製造に使われる乳酸菌は、食品を発酵させる性質を生かして選ばれています。一方、犬由来乳酸菌は、犬の体に存在していた細菌を研究の出発点としていることが特徴です。
ただし、由来と利用対象は別の情報です。食品から分離された乳酸菌が犬用製品に使われることもあれば、犬由来ではない乳酸菌を使って、犬を対象とした研究が行われることもあります。
そのため、「犬由来だから良い」「食品由来だから犬には合わない」と、由来だけで単純に分けることはできません。
乳酸菌はすべて同じではない
乳酸菌には多くの種類と菌株がある
乳酸菌は、糖類から乳酸をつくる細菌の総称です。「乳酸菌」という一種類の菌が存在するわけではなく、その中にはさまざまな菌属、菌種、菌株があります。
分類を住所にたとえると、菌属が都道府県、菌種が市区町村、菌株が個別の番地のようなものです。同じ菌種に分類される乳酸菌でも、菌株が異なれば性質が異なることがあります。そのため、乳酸菌について考えるときは、菌種だけでなく菌株まで確認することが大切です。
同じ菌種でも菌株によって性質が異なることがある
乳酸菌の性質や期待される働きは、菌種名だけで一律に決まるものではありません。
同じ菌種でも、酸への強さ、増殖のしやすさ、つくり出す成分などが菌株によって異なることがあります。ある菌株の研究で確認された特徴を、同じ菌種の別の菌株にそのまま当てはめることはできません。
乳酸菌は菌種だけでなく菌株まで確認する
乳酸菌を選ぶときは、「乳酸菌が配合されているか」だけでなく、どの菌株が使われているかを見ることが重要です。
菌株が明らかになっていれば、その菌株がどのように選ばれ、どのような研究の対象となっているかを確認しやすくなります。研究で分かっていることを正しく理解するためにも、菌株まで特定されているかは大切なポイントです。

「犬には犬の乳酸菌」という考え方とは
人と犬では腸内細菌叢の構成が異なる
腸内には多くの細菌が存在し、それらの集まりを腸内細菌叢と呼びます。
犬と人の腸内細菌叢には共通する部分もありますが、まったく同じではありません。また、犬同士でも、年齢、食事、犬種、生活環境、健康状態などによって腸内細菌叢の構成は変わります。
人で研究されている乳酸菌が、そのまま犬でも同じように働くとは限りません。犬への利用を考える場合には、犬を対象とした視点が必要です。
犬の体に存在していた菌を研究の出発点にする
犬の体に存在していた菌に着目し、犬への利用を想定して候補を探すことには、研究上の意味があります。
この発想を端的に表したものが、「犬には犬の乳酸菌」という考え方です。
ただし、これは「犬由来なら必ず効果がある」という意味ではありません。犬の体から菌を探し、その中から研究対象となる菌株を選ぶという、研究や製品開発の出発点を表す言葉です。
犬への利用を想定した研究につなげる
犬由来乳酸菌の価値は、犬から見つかったという事実だけではありません。
犬の体から分離した多くの候補の中から目的に合う菌株を選び、その性質を調べることで、犬への利用を想定した研究につなげられることに意味があります。
「犬由来」という情報に加えて、どの菌株が選ばれ、どのような研究が進められているかまで見ることが大切です。

犬由来乳酸菌が製品に使われるまで
犬の体から候補となる細菌を分離する
犬由来乳酸菌の研究では、まず犬の腸内などから採取した試料に含まれる細菌を分離します。
採取した試料には多くの種類の細菌が存在しているため、候補となる細菌を一株ずつ取り出し、それぞれの性質を調べられる状態にします。
犬から乳酸菌を一つ見つけて、そのまま製品に配合するわけではありません。
多くの候補から目的に合う菌株を選別する
分離された候補菌について、乳酸菌としての性質や、研究目的に合う特徴があるかを比較します。そのうえで、多くの候補から研究対象となる菌株を絞り込みます。
この選別過程があることで、「犬の体から分離された乳酸菌」から、「特定の性質を持つ研究対象の菌株」へと絞り込まれていきます。
選ばれた菌株の性質や安全性を研究する
選ばれた菌株についても、すぐに製品へ使用できるわけではありません。
菌株がどのような性質を持つのか、安定して培養できるか、品質を一定に保てるか、安全性に問題がないかなど、さまざまな点を確認する必要があります。
犬由来乳酸菌を評価するときは、「犬から分離されたか」だけでなく、その後にどのような選別や研究が行われているかが重要です。

犬由来なら必ず優れているとは限らない
「犬由来」は有効性を保証する表示ではない
「犬由来」という言葉には分かりやすさがありますが、それだけを根拠に製品を選ぶのは適切ではありません。
犬から分離されたことと、犬に対する具体的な働きが確認されていることは、別の話です。犬由来であることは、有効性を保証する表示ではありません。
基礎研究の結果をそのまま犬への効果とはいえない
乳酸菌の研究では、培養細胞やマウスモデルなどを用いた基礎研究が行われることがあります。
基礎研究は、菌株の性質や可能性を検討し、次の研究につなげるために重要です。しかし、培養細胞やマウスで得られた結果を、そのまま犬での効果として扱うことはできません。
研究内容を見るときは、何を対象に、どのような方法で調べた結果なのかを確認する必要があります。
犬での有効性がすべて確立しているわけではない
犬由来乳酸菌は、菌株ごとに研究の進み方や確認されている内容が異なります。研究で分かっていることと、今後の検証が必要なことを分けて捉えることが大切です。
「犬由来だから効く」と断定するのではなく、どの段階まで研究が進んでいるかを冷静に確認しましょう。
犬用乳酸菌を選ぶときの確認ポイント
由来と菌株が明らかになっているか
まず確認したいのは、その乳酸菌がどこから分離されたのか、菌種や菌株が明らかになっているかという点です。
「乳酸菌配合」「犬用」と書かれているだけでは、どのような乳酸菌なのかまでは分かりません。菌株まで特定されていれば、その菌株について行われている研究を確認しやすくなります。
菌株の選別や研究が行われているか
犬の体から分離されたという情報だけでなく、複数の候補から菌株を選別しているか、その菌株について研究が行われているかを確認しましょう。
分離、選別、研究という過程が明らかになっている製品は、なぜその菌株が採用されたのかを理解しやすくなります。
研究対象と研究方法が正しく説明されているか
研究結果を紹介している場合は、犬を対象とした研究なのか、マウスモデルや培養細胞を用いた基礎研究なのかを確認します。
どのような対象と方法で得られた結果なのかを明示せず、犬への効果として紹介している場合には注意が必要です。
分かっていることと分かっていないことが区別されているか
信頼できる情報かどうかを判断するには、研究で確認されている範囲だけでなく、まだ分かっていないことも正しく説明されているかを見ることが大切です。
強い表現だけを信じるのではなく、研究結果が過大に表現されていないか、犬での有効性がどの程度確認されているかを確認しましょう。

麻布大学獣医学部で研究されている犬由来乳酸菌HÜGBIO®
健康な犬の腸内細菌叢から候補菌を分離
麻布大学獣医学部薬理学研究室では、健康な犬の腸内細菌叢から候補となる細菌を分離し、犬のための乳酸菌製品の開発につなげる研究を進めています。
犬の腸内に存在していた細菌を研究の出発点とし、「犬には犬の乳酸菌」という考え方のもとで、犬への利用を想定した研究が行われています。
多くの候補から乳酸菌株を選別
大学の公開資料では、健康な犬の腸内細菌叢から細菌を分離し、300以上の候補細菌から乳酸菌候補を絞り込んだことが紹介されています。
重要なのは、単に犬から乳酸菌が見つかったということではありません。多くの候補を比較し、研究対象となる菌株を選別していることに研究上の意味があります。
基礎研究によって菌株の性質や可能性を検討
選ばれた乳酸菌株については、培養細胞やマウスモデルなどを用いた基礎研究が行われ、その性質や可能性が検討されています。
この研究成果を背景に開発された犬由来乳酸菌が、HÜGBIO®(ハグビオ)乳酸菌です。
なお、大学が公開している基礎研究の結果は、乳酸菌の性質や可能性を検討するためのものです。マウスモデルや培養細胞で得られた結果を、犬への効果として直接読み替えることはできません。
HÜGBIO®の背景となった犬由来乳酸菌「麻布株」の研究情報については、麻布大学の公開資料でご確認いただけます。
デイリズムがHÜGBIO®乳酸菌を採用した理由
デイリズムには、麻布大学獣医学部の研究を背景に開発されたHÜGBIO®乳酸菌を配合しています。
採用した理由は、「犬には犬の乳酸菌」という言葉の分かりやすさだけではありません。
犬から分離されたこと、多くの候補から菌株が選別されたこと、大学で研究対象となっていること。この一連の背景を確認できることを大切にしました。
デイリズムでは、乳酸菌だけに愛犬の健康をゆだねるのではなく、適切な食事、運動、睡眠、生活リズムを基本とし、毎日のおやつ習慣の中で無理なく取り入れることを重視しています。
※「HÜGBIO」は、VMAT社(麻布大学発ベンチャー)の登録商標です。【第6938091号】

まとめ|犬由来だけでなく菌株と研究内容を確認しよう
犬由来乳酸菌とは、犬の体から分離された乳酸菌です。
「犬には犬の乳酸菌」という考え方は、犬を起点に菌株を探し、犬への利用を想定した研究や製品開発につなげる発想を表しています。
ただし、犬由来であることは、犬での有効性を保証するものではありません。
乳酸菌を選ぶときは、由来だけでなく、菌株が明らかになっているか、複数の候補から選別されているか、どのような研究が行われているかまで確認しましょう。
犬用乳酸菌に期待される働きや、製品を選ぶ際の基本的なポイントについては、「犬に乳酸菌は必要?期待される働きと犬用乳酸菌の選び方」で詳しく解説しています。
また、研究結果を見るときは、犬を対象とした研究なのか、培養細胞やマウスモデルを用いた基礎研究なのかを区別することも重要です。
「犬由来」はゴールではなく、研究の出発点です。その先にある菌株選別と研究内容まで見ることが、信頼できる犬用乳酸菌を選ぶ手がかりになります。

