ほくほくとした食感と、やさしい甘みがおいしい「かぼちゃ」。私たちの食卓でも、煮物やスープ、サラダ、お菓子まで幅広く使われる身近な野菜です。
鮮やかな黄色やオレンジ色からも想像できるように、β-カロテンをはじめ、ビタミンE、カリウム、食物繊維など、さまざまな栄養を含んでいます。
甘みがあるため、「うちの子も好きそう」「犬にあげても大丈夫?」と思う方も多いのではないでしょうか。

結論からいうと、かぼちゃは、健康な犬であれば食べることができる食材です。
今回は、かぼちゃに含まれる栄養や犬に期待できる働き、与えるときに気をつけたいポイントについてご紹介します。
犬にかぼちゃをあげても大丈夫?
かぼちゃは、犬が食べることのできる野菜のひとつです。
日本でよく食べられている西洋かぼちゃには、β-カロテン、ビタミンE、ビタミンC、カリウム、食物繊維などが含まれています。
文部科学省の「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」によると、西洋かぼちゃ(ゆで)100gには、食物繊維4.1g、β-カロテン2,500μg、ビタミンE(α-トコフェロール)3.4mg、カリウム340mgが含まれています。
自然な甘みがあり、加熱するとやわらかくなるため、愛犬のごはんへのトッピングや手作りおやつにも取り入れやすい食材です。
※栄養成分値は人の食品成分表による可食部100gあたりの参考値です。犬への給与量を示すものではありません。

かぼちゃに含まれる主な栄養と、犬に期待できる働き
β-カロテン|皮膚や粘膜、目の健康に関わるビタミンAの材料
かぼちゃの鮮やかな黄色やオレンジ色をつくっている成分のひとつが「β-カロテン」です。
β-カロテンはカロテノイドと呼ばれる植物由来の色素成分で、抗酸化作用を持つことで知られています。
犬はβ-カロテンを体内に吸収することができ、必要に応じてビタミンAの材料として利用することができます。
ビタミンAは、皮膚や粘膜を健やかに保つことや、視覚、免疫機能などに関わる大切な栄養素です。
ただし、「かぼちゃを食べれば目が良くなる」「免疫力が上がる」という意味ではありません。毎日の食事の中で、さまざまな栄養を取り入れるひとつの食材として考えるのがおすすめです。
ビタミンE|からだを酸化ストレスから守る抗酸化ビタミン
かぼちゃには、脂溶性ビタミンのひとつである「ビタミンE」も含まれています。
ビタミンEは抗酸化作用を持ち、体内で発生する活性酸素による酸化ストレスから細胞を守る働きに関わっています。
β-カロテンとあわせて、かぼちゃが「抗酸化成分を含む野菜」として注目される理由のひとつです。
食物繊維|便の状態や腸内環境をサポート
かぼちゃには、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方が含まれています。
西洋かぼちゃ(ゆで)100gでは、食物繊維4.1gのうち、水溶性食物繊維が0.9g、不溶性食物繊維が3.2g含まれています。
食物繊維は消化されずに大腸まで届き、便のかさや水分量を調整したり、一部は腸内細菌によって利用されたりします。そのため、適量の食物繊維を食事に取り入れることは、毎日のすっきりした排便や腸内環境を考えるうえでも大切です。
一方で、食物繊維は多ければ多いほどよいわけではありません。急にたくさん食べると、軟便や下痢、おなかの張りにつながることもあります。
カリウム|水分バランスや筋肉・神経の働きに関わる
かぼちゃには、ミネラルのひとつであるカリウムも含まれています。
カリウムは、体内の水分や電解質のバランスを保つほか、筋肉や神経が正常に働くためにも欠かせない栄養素です。
健康な犬であれば通常の食事に含まれるカリウムを過度に心配する必要はありませんが、腎臓病などでカリウム量を調整している場合は、かぼちゃを追加する前にかかりつけの獣医師へ相談しましょう。
炭水化物|自然な甘みとエネルギー源
かぼちゃは野菜の中では比較的炭水化物を多く含み、加熱するとほくほくとした食感と甘みが強くなります。
犬も甘みを感じることができるため、かぼちゃを好むワンコは少なくありません。
この自然な甘みは、おやつやごはんのトッピングとしての楽しさにつながる一方、かぼちゃは葉物野菜などと比べるとエネルギー量が高めです。
西洋かぼちゃ(ゆで)は100gあたり80kcalほど。おいしいからとたくさん与えるのではなく、「少量を楽しむ」くらいを意識しましょう。

かぼちゃは犬のおなかにやさしい?
犬の食事について調べていると、「おなかの調子が気になるときにかぼちゃ」という情報を目にすることがあります。
実際、食物繊維は犬の便の状態をととのえるうえで重要な役割を持ち、海外の獣医療情報でも、かぼちゃは食物繊維を補う食材のひとつとして紹介されています。
さらに、かぼちゃは加熱するとやわらかくなり、つぶしたりペースト状にしたりしやすいため、食べやすい形に調整しやすいのも魅力です。
ただし、かぼちゃそのものが下痢や便秘を「治す」わけではありません。
食物繊維が多すぎれば逆に便がゆるくなることもありますし、嘔吐や下痢、便秘が続いている場合には、食材だけで対処せず動物病院へ相談してください。
犬にかぼちゃを与えるときの注意点
生ではなく、やわらかく加熱する
硬い生のかぼちゃは、犬にとって食べにくく、消化の負担にもなります。
蒸す、茹でる、電子レンジで加熱するなどして、指で簡単につぶせるくらいまでやわらかくしてから与えましょう。
小型犬やシニア犬には、小さく切ったり、フォークなどでつぶしたりするとさらに食べやすくなります。
皮や種は無理に与えなくてOK
かぼちゃの皮も、十分に加熱してやわらかくすれば食べることはできます。
ただし、実より硬く食物繊維も多いため、消化しやすさを優先するなら取り除いてしまって問題ありません。
種も犬が食べられない食材ではありませんが、丸ごとの種は硬く、小型犬では喉につかえる心配もあります。家庭でかぼちゃを与えるだけなら、わざわざ種まで食べさせる必要はないでしょう。
味付けしたかぼちゃ料理は与えない
犬に与えるかぼちゃは、基本的に「かぼちゃだけ」で調理します。
人用のかぼちゃの煮物には砂糖やしょうゆ、スープやサラダには塩、バター、生クリームなどが使われていることがあります。
私たちがおいしく食べるための味付けは、犬には必要ありません。愛犬とシェアするときは、味付けする前に犬の分を取り分けておくと簡単です。
甘くて食べやすいからこそ、与えすぎに注意
かぼちゃは自然な甘みがあり、喜んで食べてくれるワンコも多い食材です。そのぶん、ついつい量が増えてしまわないよう注意しましょう。
総合栄養食を主食にしている場合、かぼちゃは主食の代わりではなく、トッピングやおやつのひとつとして考えます。
おやつ全体では、一日に必要な摂取カロリーの10%以内をひとつの目安にし、初めて与えるときは少量から様子を見るのがおすすめです。
持病や療法食がある場合は獣医師に相談
健康な犬にとっては取り入れやすいかぼちゃですが、すべての犬に同じように適しているわけではありません。
腎臓病などでカリウムを調整している場合や、糖尿病、肥満などで食事内容や摂取カロリーを管理している場合、療法食を食べている場合は、自己判断で食材を追加せず、かかりつけの獣医師へ相談してください。
また、どんな食材でも体質に合わない可能性はあります。初めて食べたあとに嘔吐、下痢、皮膚のかゆみなどが見られた場合は与えるのを中止し、必要に応じて動物病院を受診しましょう。

かぼちゃを使ったヒトとワンコがシェアできるレシピ
やさしい甘みのあるかぼちゃは、好む愛犬も多く、おやつにもごはんにも取り入れやすい食材です。
味付けをする前に愛犬の分を取り分ければ、ヒトとワンコが一緒に楽しむ料理にも活用できます。
one’s dailyでは、かぼちゃを使ったシェアレシピをご紹介しています。
デイリズムの「よるリズム」にも、かぼちゃ
one’s dailyの毎日のおやつ「デイリズム」では、夜のおやつ「よるリズム」のひとつに、かぼちゃを使っています。
「かぼちゃ×GABAブレンド」は、やさしい甘みのかぼちゃフレークをベースに、発酵米ぬか由来のGABA、米こうじ粉末、犬由来乳酸菌を組み合わせたブレンドタイプのおやつです。
水と混ぜることでペースト状やスープ状にでき、おやすみ前の時間に水分と一緒に取り入れられるよう設計しています。
かぼちゃの自然な甘みや食べやすさ、食物繊維を含む素材としての魅力に、発酵米ぬか由来GABAや発酵素材などを組み合わせることで、夜のくつろぎ時間に寄り添うおやつに仕上げています。

まとめ
かぼちゃは、健康な犬であれば食べることのできる野菜です。
β-カロテン、ビタミンE、カリウム、食物繊維などを含み、自然な甘みがあるため、愛犬のごはんやおやつにも取り入れやすい食材です。
やわらかく加熱し、味付けをせず、最初は少量から。そんな基本を守れば、いつもの食事に季節の味や新しい楽しみを加えることができます。
ほくほく甘いかぼちゃを、私たちの食事だけでなく、ときには愛犬とも一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。
